ボールスプライン  【作用荷重】


■ 計算例 ( 1 ) 

図のような横型1軸使用の案内軸にボールスプライン R20Aのスリーブを2個密着して使用した場合、
スリーブに作用する負荷荷重 F を求めます。


                                                         L1 = 40 mm ( スリーブ本体長さ )


スリーブの取付間距離 L は、スリーブ本体長さ L1 の3倍以内であり、スリーブ内の鋼球には不均等
な分布荷重が作用することを考慮して図1-7より K の値を求めて荷重の計算を行います。

〔 K の値を求める場合、軸先端の位置はストローク長さの中心とします。〕

A / L =  350 / 93 ≒ 3.8 図1-7により K = 13 スリーブに作用する荷重 F は、式1-12から求められ

F = K ・ F r ' = 13× 50 = 650 N となります。

なお、走行寿命の延長と精度の維持を図るためにスリーブ間の距雛 L は、できるだけスリーブ-本体
長さ L1 の3倍以上にすることをお奨め致します。


■ 計算例 ( 2 ) 

図のような横型1軸使用の産業用ロボットのアーム部にボールスプライン FR30CUUのスリーブを2個
使用してアームを前後にストロークさせたときの平均荷重 Fm を求jrます。



                                                         L1 = 60 mm ( スリーブ本体長さ )

スリーブ取付け間距離Lは、スリーブ本体長L1の3倍以上あるので、スリーブ内の鋼球には一様な等分
布荷重が作用するものとして計算します。




この場合、荷重は単調に変化しますから、式1-8より平均荷重 F m は

走行寿命を求める際には、数値の大きい平均荷重 F m 1 を計算式に代入して下さい。


■ 計算例 ( 3 ) 

図のような縦型2軸の案内軸にボールスプライン LSF30UU 型のスリーブを4個使用した装置で、上昇
時と下降時に負荷荷重が変化するときの平均荷重 Fm を求めます。

〔上昇時 = W + Fr' = 700 N 〕
〔 下降時 = W = 200  N 〕
L 1=スリーブ長さ / 2 = 33 o



スリーブ内の鋼球には、一様な等分布荷重が作用するものとして計算を行います。( L > 3 L1 )



この場合、荷重は段階的に変化しますから、式1-7により平均荷重F m を求めことができます。