ボールスプライン 【作用荷重】
■ モーメント荷重
NSB ボール スプラインを、図1-6、及 び、図1ー8に示すような方法で使用する場合、
スリーブにはモーメント荷重が作用することになります。 このためスリーブ内に組込
まれた鋼球には、不均等な分布荷重が作用しますが、 スリーブ間の距離が長い場
合には近似的に一様な分布荷重が作用するものとします。 従って走行寿命の計算
はスリーブの取付け間距離によって、図1ー6、または、 図1ー8の方法で行って下さ
い。なお、スリーブ1個使用の場合には、走行寿命ならびに精度の維持が大幅に低
減します。できる限りスリーブを2個使用することをお奨めします。
図 1-6
図 1-6 のように、スリーブが、密着している場合、 ならびにスリーブの取り付け間距
離 L がスリーブ本体長さ L1 の3倍以内の場合には 不均等な分布荷重の最大値で
ある最大分布荷重 Pmaxを求めます。その値は、図1-7から求められます。
すなわち、図 1-7の 縦軸 K の値は スリーブ内の鋼球に働く最大分布荷重 Pmax と
平均荷重 F r '/ i ・ Z との比
i : スリーブの個数 Z : 1個のスリーブ中の1列の有効玉数 |
スリーブ 型式 | Z |
R・FR・KR・H・FH | 15 | |
MR・MFR | 10 | |
SR・FSR・KSR | 3 | |
LS□・SSB | 6 | |
LS□L | 9 | |
LS□W | 12 |
を表しますから Pmax は、Pmax = K ・F r ' / i ・Z
で求められます。
ボールスプラインの走行寿命計算は、1列の有効玉数の総てに Pmax が作用するこ
ととし
というラジアル荷重 F が作用するものとして行ないます。
■荷重を受ける鋼球転動部の長さ ( L 1 )
種類 | L1 | |
高精度ボールスプライン | 循環型 | スリーブ本体長さ |
非循環型 | スリーブ長さ 1/4 | |
エコノミー ボールスプライン | LS□型 | スリーブ長さ 1/2 |
LS□L型 | スリーブ長さ 2/3 | |
LS□W型 | スリーブ長さ 3/4 | |
スーパースプライン ブシュ | SSB型 | スリーブ長さ 1/2 |
図 1-7
図 1-8
図 1-8のようにスリーブの取付け間距離 L がスリーブ本体長さ L1 の3倍以上の場合
には、近似的にスリーブ内に組み込まれた鋼球には、一様な等分布荷重が作用する
ものとして、スリーブに働くラジアル荷重を求めて走行寿命の計算を行って下さい。