ボールスプライン  【寿命に影響を与える係数】


■温度係数 ( f t )

基本定格荷重は、運転温度が100℃以下の場合に適用されますので、常時または、短時間でも100℃
を超えて使用するときは、図1-1の温度係数を乗じて下さい。

図1-1


(注) ・ NSBエコノミーボールスプラインおよびスーパースプラインブシュには、保持器(リテーナ)に合成
樹脂を使用しているため、使用温度に制限があります。最高80℃までの温度範囲内でご使用下さい。



■硬さ係数 ( f h )

基本定格荷重は転動面の硬さがHRC58以上に対する値であって、これ以下で使用するときには図1-2
の硬さ係数を乗じて下さい。

図1-2




■荷重係数 ( f w )

振動や衝撃などによって、実際には計算荷重より大きい荷重が作用します。使用条件に従って表1ー2
の荷重係数を乗じて下さい。


表1ー2
使用条件 f w
振動や衝撃のほとんど無い場合
(低速走行 15m / min 以下)
1.0 〜 2.0
振動や衝撃のややある場合
(低速走行 60m / min 以下)
2.0 〜 3.0
振動や衝撃のはげしい場合
(低速走行 60m / min 以上)
3.0 〜




■合成荷重係数 ( f s )

ラジアル荷重とトルクが同時に作用するような場合には、合成荷重が働きます。走行寿命を求める際に
は、表1一3 ( a ) , ( b ) の合成荷重係数を式1ー4に代入して行って下さい。


表1一3 ( a )  高精度 ボール スプライン
軸外径 (mm) R ・ FR
MR ・ MFR ・ KR
H ・ FH
SR
FSR
KSR
A C A C
6 0.009 - 0.011 -
 8  ( 6.9 ) 0.013 - 0.015 -
10  ( 8.9 ) 0.016 - 0.018 -
12 ( 10.9 ) 0.019 - 0.021 -
16 ( 14.5 ) 0.024 - 0.027 -
20 ( 1835 ) 0.031 - 0.033 -
25 ( 23.5 ) 0.039 - 0.041 -
30 ( 28.0 ) 0.046 0.092 0.050 0.100
40 ( 36.5 ) 0.060 0.120 0.066 0.132
50 ( 46.5 ) 0.075 0.150 0.082 0.164
60 ( 55.0 ) 0.091 0.182 0.096 0.192
80 ( 74.5 ) 0.122 0.244 - -
100 ( 92.0 ) 0.152 0.304 - -

(注) ・ ( ) 内寸法は、H型、FH型の軸径です。
      ・ A は3条溝、C は6条溝を表わす記号です。



表1一3 ( b )  エコノミー ボール スプライン
               スーパー スプライン ブシュ
呼び径 (mm) LSK
LSF
LST
LSKL
LSFL
LSKW
LSFW
LSTW
SSB
6 0.011 -
 8 0.014 -
10 0.020
13 0.032
16 0.057
20 0.068
25 0.073
30 0.085




■定格荷重の比率 ( f p )

寸法表の基本定格ラジアル荷重は、図1-3 ( a )に示すような振分け荷重状態の場合の値です。図 1ー3
( b ) のような直上に荷重が作用する場合には、玉列位置による定格荷重の比率 ( f p ) を乗じて下さい。


図1-3 ( a )  振分け荷重 図1-3 ( b )   直上荷重
fp = 1 fp = 1 fp = 1 fp = 0.71
fp = 1 fp = 1 fp = 0.68 fp = 0.78